CH24(Yチェア)に見るハンス・J・ウェグナーのデザインとは
北欧デンマークを代表するデザイナー “ハンス・J・ウェグナー”
椅子の巨匠として知られ、500脚以上の椅子をデザインしています。そしてその多くが現在名作として、国際的に高い評価を受けています。
その中でウェグナーがデザインしたCH24(通称Yチェア)はドラマやCM、雑誌などでよく見かけるほどあまりにも有名です。
ウェグナーやYチェアを語ると1冊の本が出来てしまうほど非常に奥が深い人物です。
ここでは、とても感銘を受けたウェグナーのデザインに対する考え方をお話ししたいと思います。
『椅子に表裏があってはいけません』
皆さんが椅子をお探しの場合、カタログや店頭など意識せず正面から椅子に向き合うことが多いのではないでしょうか。
しかし、お家など実際テーブルに納められている椅子を目にする時は横や後ろ姿が多いと思います。
ウェグナーの椅子はどの角度から見ても彫刻的な美しい佇まいです。
『考え抜かれた構造は、それ自体が装飾となりうる』
3次元に曲げやすく組み立てしやすくした設計が、
Yチェアのシンボルにもなっている背中のY型パーツ。
アームを支える支柱を省略、木の無駄をなくした結果が、
曲線が綺麗なアームに伸びる後脚。
先端にいくほど細くテーパーをかけることによって、
見た目をスッキリとし洗練された印象を生む細く無駄のない脚。
これらはコストダウンと量産、軽量化のための設計で
Yチェアに見るデザイン装飾と思っていたものはすべて考え抜かれた構造によって
必然的に生み出されたものでした。
『椅子は人の動きを妨げてはいけません』
平面に削られた背もたれ、優しいカーブを描きどの角度でも背中をサポートしてくれる笠木、
斜めや真横など自由な座り方を可能にしてくれる支柱のないアーム。
そして、使ううちにその人の身体に馴染んでくるペーパーコード。
どのデザインも使う人の動きを制限することなく受け止めてくれています。
『選ぶ椅子でその人となりがわかる。なぜなら椅子は、人に最も身近な存在だから。』
個人的にはこの言葉がとても印象深い言葉です。
椅子はその人を写す鏡でもあるのだなと深く心に刻まれました。
人も千差万別ですが、椅子もまた千差万別です。
個人の体格やどういったスタイルでどういった使い方かなどで椅子のデザインや選択が変わっていきます。
また、ダイニングに関しては皆さんテーブルを中心に考えがちですが実は一番重要なのは
直接身体に触れ、また自分の身体を預ける椅子だったりします。
おうち時間が増え、家の中を改めて見つめ直しているという方も多いのではないでしょうか。
ホームシック スタイルショップでは国内外のさまざまなチェアや商品を取り扱っております。
ウェグナーの名作に改めてふれるとともに、自分に寄り添っていくパートナーとなる椅子を
探してみてはいかがでしょうか。