HOME SIC FLOWER LIFE NO.10
今回のフラワーライフは、仏像を日本古来の芸術品としてとらえ、日本人が永年守り続けてきた「日本の伝統美・文化・心(思い)」を日常の中にあるグリーンと一緒に合わせてみました。
「阿修羅像 興福寺 国宝」 製作時期:奈良時代
本来阿修羅は古代インド神話の悪神で仏教の敵対者だった。しかし、仏の教えを聞くうちに深く仏教に帰依し、仏法を守護する守護神となる。興福寺の阿修羅は説法を聞き童心に返っていく姿ともされ、その憂いを含んだ一途な表情は、今も見る者の心をとらえて離さない。2009年の春、興福寺創建1300年を記念して開催された「国宝 阿修羅展」は、2ヶ月間で延べ94万人以上もの観客が詰めかけ、会場となった東京国立博物館平成館の過去最高を記録した。
合わせた植物は、憂いの表情にしっとりとアジサイとドウダンつつじ。


「毘沙門天像 願城就院 国宝」 製作時期:鎌倉時代
四天王の頭領の多聞天。独尊で信仰される場合の呼び名が毘沙門天といいます。守護の武人から変化して、いずれ人々に福をもたらす天となっていきました。帝釈天の使者として毎月決まった日に福徳を届けに来てくれるという信仰が、七福神の一尊にも数えられる理由。奥州討伐の成功を祈願する仏像の造立のため運慶は36歳のとき、北条時政によって伊豆に招かれ、そこでつくり上げたのがこの毘沙門天像。武士の好みに合わせた猛々しい姿に仕上がっています。
外で育てているトクサとワイヤープランツを立体的にフレームを使って力強さを出したアレンジ。



「弥勒菩薩半跏像 広隆寺 国宝」 製作時期:鎌倉時代
釈迦如来が入滅後、56億7000万年後にようやく釈迦に代わって衆生を救済するのがこの弥勒菩薩。「半跏思惟像」とも呼ばれ、如来になった際に衆生の救済方法を考えているお姿と言われています。現在は赤松の美しい木肌を見せる弥勒菩薩半跏像作られた当初は金箔に覆われていた。釈迦が入滅して約2500年、まだまだ先のことを思案中の弥勒様・・・
お店で生花からドライフラワーになったキングプロテアを合わせました。



気が付くと集合していました(笑)
リサラーソンの動物達とも相性ばっちりで癒し効果は倍増です。
「菩薩半跏像 中尊寺 国宝」 製作時期:飛鳥時代
現存する日本最古の尼寺・中尊寺のご本尊。当初は弥勒菩薩と呼ばれていましたが研究の結果、今では如意輪観音と呼ばれています。優美な微笑みはアルカイックスマイルの典型と言われ、世界3大微笑で有名です。いくつかの木材を組み合わせた木彫の仏像としては世界最古。
合わせたのはフィルムロール・キャンドルスタンドとコルジリネパープル。後ろのフィルムロールを曼荼羅にキャンドルスタンドを脇侍に見立ててみました。


今回は、「受け継がれる美とともに暮らす、新たな価値感をプラスする」をコンセプトにされている、イSムさんの仏像を紹介させて頂きました。「イSム(いすむ)」とは、仏の中にS(スピリッツ:日本の魂)を抱くというブランドロゴです。尚、取り扱いはつくば店のみとなります。
仏像を眺めていると、心の中を見透かされ悩みを吸い取ってくれるような気がします。今年も半年があっという間に過ぎてしまいました。夏の始まりに、少し弱った体と心を仏像とボタニカルパワーで癒して、ゆっくりしませんか?
企画室 野崎直美